・あいの里だよりーNO32019/07/17 09:21

「老後の人生設計」~衣食住編

三食が自動的に運ばれてくる施設は何処か。それも栄養と内容が整っているかであろう。住まいも快適な方が良い。これらをモチーフに考えた。
        衣食住

「衣」はもう不要。スーツも30着程度、ワイシャツも同様、山の服も殆ど捨てた。カジュアルなものしか残していない。

「食」、これは重要である。今までは朝食に「グリル満天星窪田シェフ直伝 奇跡の健康タマネギスープ」を食べていた。昼は麺類、夕は酒の肴で偏食気味。

            タマネギスープ

友人、知人に作っていただくばかりでは長続きしない。やはり三食が自動的に運ばれてくるところを探さねばならない。
自分の半生を振り返ると高校生時代は下宿屋、大学は親の企業が営む大規模寮、社会人の時も大半が単身寮と、集団生活には慣れ親しんできた。

「食」は「住」と連動する。条件から絞り込むことになる。
住まいは「賃貸」か「購入」か、「新築」か「中古」か、「マンション」か「戸建て」か。そして費用との関係もある。福祉施設と連動しているか。

「サービス付き高齢者向け住宅」、「分譲型シニアマンション」、「ケアハウス」、「グループホーム」、「有料老人ホーム」、その他「介護保険施設」などがある。

この所、NHK放送の三浦半島 油壷のエデンの園の「介護付き有料老人ホーム」も観た。
2017年放送で倉本聰脚本の「やすらぎの郷」も見た。現在も「やすらぎの刻~道」も放送されている。

他の高齢者施設も数件見て回った。

それらを見ていると沢山の人がいて賑やかで、生きがいがありそうな所が活気があり楽しそうである。寂しい所や設備が良くない所は好まない。

結論として「分譲型シニアマンション」を選んだ。
最近よく耳にする「サ高住」と似ているが、分譲型の違いである。

               赤〇印が私の部屋で、名前は「天国」

ある施設のコンセプトに注目した。以下はその概念。
「新しい時代を、人間らしく生きるために、旧来の老後感を見直し、老いることの価値観を再発見する。」高齢社会を迎えた日本の中で中高齢者のライフスタイルが大きく変化しつつあります。当グループは、そんな日本の時代の流れの中、中高齢者の方々が、新たなる生きがいや楽しみを見つけられる居住空間として数多くのメンバーの皆様が第2の人生をエンジョイされています。 私たちは「ライフケア」のパイオニアとして、生きがいの場の提供を使命としつつ、これからも実りゆたかな中高齢者の生活をバックアップする、しなやかな発想をどんどん発信していきます。

ここは分譲型マンションで55歳以上、現在健康な人、入居時に自分で身の回りの事が出来ること、共同生活が可能なこと。入居時にはマンションゆえ購入費用(数百万円以上)が必要などが条件である。

自分が考えていた条件がほぼ満たされていた。まるでホテルの様だ。

病人ばかりの所には入りたくない、新たなる生きがいと楽しみがある、サークル活動が多数あり活発、大浴場がある、卓球、ビリヤード、パークゴルフ、カラオケ、気功、陶芸、ダンス、囲碁将棋、茶室などがある。

そして食事、農園も経営しており新鮮野菜が食べられる。和洋中華のシェフが作る2種類の献立から選べるしこれまたうまい。 

 
             直営の農園

                   和洋中のシェフが腕を振るう

医者が毎週通ってくる、看護師が常駐している、税理士や弁護士が無料相談に応じてくれる。終活の最後は提携の福祉施設に紹介してくれる。

               美人の看護師さん、恋の病にかかりそう

入居したシニアマンションは14階建ての7階、窓からの景色は抜群、眼下には緑の雑木林もある。ウオーキングには樹木のトンネルを歩く「酸素吸い放題」の1時間癒しコースまである。ここは学園都市で大学、大学病院などがあり、大手ショッピングセンターもあり不自由はない。
ただし、居酒屋は2~3件でチト寂しい。バスで30分なら歓楽街も近い。

部屋は居間と和室もあり、館内の電話もあり、ナースコールボタンもあり、廊下を24時間歩かなければ監視カメラがフロントに異常を知らせる設備まである。もちろんバリアフリー。  至れり尽くせりである。

   ナースコールボタン

女性が男の倍もおり、始終声がかかる。カラオケどう! 卓球しない!麻雀しませんか?
 
退屈なんぞするわけがない。 既に天国の入り口に差し掛かっているではないか。

次なる「食」と「住」が決まると支払いの決済である。
シニアマンションの本社営業マンが仲介する。売主、買主(私)、手続きの司法書士の4者が銀行控室で面談。ハンコ、印鑑証明、住民票、口座通帳と口座印であれこれ書類に記入し、その場に銀行員が来て振り込みを手続き。
最近は効率を求め銀行でするようだ。お金を出さないから安全なのだ。

最後に部屋の鍵を渡され目出度くオーナーとなる。さてここで何年生きられるか、それは神のみぞ知る。


 次は断捨離、自宅の整理、墓じまい、資金繰り、人生末期までの用意 編

・あいの里だよりーNO42019/07/17 15:05

自宅売却、墓じまい、断捨離、運送屋、資金繰り、引っ越し  編

新しいマンションが決まり、購入費用のン百万円を払い(中古ゆえ安いがリニュアルされており新築と同様、まして老いぼれには新築は不要、退去の時は適正価格で売買OK)、さあ~これから1か月が忙しくなる。

先ず自宅売却である。
パソコンで「自宅売却」と打ち込むと、ズラリとノウハウが出てくる。今時ネット検索は非常に便利である。
大手不動産会社から中小、地元業者までさまざまである。PCで申し込むと、営業マンから電話が入り、自宅まで見積もりや説明で次から次へと押し寄せる。3年前に車を手放した時と同様に査定額を持ってくるのである。

 ネット検索するとこのような会社ガ・・・

対応に忙しいが、中には素晴らしい資料を整えてくる会社もある。地域の不動産情報、現在は値段の高騰中、大都市札幌は地価が更に高騰中であるとか、地域の交通事情とスーパー、学校、商業施設の多さ、中でも大手のコストコやアウトレットが至近距離にある利便性などなど・・・
高騰の最大の原因は3か月後の消費税値上がりで駆け込み需要が多いことが要因であるらしい。大手の1社に依頼した。ネットで売り出すそうだ。

すると何と1週間で買い手が見つかった。それも言い値で買うと言う。

情報時代である。この後、古い自宅の解体屋も紹介され、見積もり額が決まりあれよあれよと、居ながらに進んでいく。

次なるは「墓じまい」
これもネットで検索し、フリーダイヤルで見積もり依頼。すぐ見積もりをネットで送られたり、自宅まで営業マンが来ることになる。全国区の業者が安いかと思いきやそうでもない。

驚いたのは、業者に墓の場所を言うと現地まで行き写真をいろいろの角度から撮影してくることだ。後ほど判ったが墓の撤去後の写真も撮り、これこの通りと説明するための事前写真撮影なのである。


墓の解体費には市から借りている土地を返すので、その手続きで印鑑証明、住民票まで必要である。
一番安かった地元の企業に依頼する。 35万円也、そして遺骨を「合同納骨塚」に一体9千円で移してくれると言う。ご先祖様も大勢の人たちがいた方が何かと賑やかでよいだろうと思った。


この後、自分もついでに火葬場から直接「合同納骨塚」にとお抱えの葬儀社に依頼しておいた。墓じまいの業者営業マンは驚いていた。生前から自分の遺骨を「火葬場」に直送してほしいと言う人は最近多いが、そのあと遺骨を「合同納骨塚」に予約する人は初めてです。自分も子供がいないので是非女房と相談してマネしますと言っていた。
私は無宗教、そして合理主義者。
一つ気が付いたのは、死んだ後も墓じまいでお金が必要であると言う事。うかうかあの世に手ぶらでは行けないのである。三途の川の渡し賃プラス墓じまい金が必要になるのです。

「断捨離」これが最大の難儀な仕事。

断捨離には約1か月を要した。親の残した家を引き継いだので、古道具屋のように価値のないものから、ありそうなものまでウンザリするほど倉庫や物置、押し入れに詰まっている。昔の人間は良く言えば物を大切に、悪く言えば整理が出来ていない。
昔は客が来ると自分の家に泊めていた。ホテルや旅館がいまほど充実していないから「布団」が20組ほどある。綿が昔だから重い。羽毛布団などない時代だ。ゴミ処理場に車で何度往復したか、費用も随分必要だった。

「鍋・釜・茶碗」などがこれまた多い。多分、室町時代か弥生時代の結婚式の引き出物と思われるものまで次から次と出てくる。終いにはあまりの多さに親のいい加減さに腹が立ってくる。神棚の遺影に向かって文句を言っていた自分を発見する。


「写真」これまたヒドイ。親は昔人間なので結婚式の媒酌人を100組ほどで自慢にしていた。新郎新婦の記念写真が100組、段ボールに3~4箱もある。
自分の写真も嫌になるほど箱にある。ある時からディジカメで写真を撮ってパソコンに内蔵したので多くはないが、他人が、頼んでもいないのにプレゼント、親切の押し売りである。

最初は1時間ほど丁寧に分類していたが、面倒になり箱ごとゴミ処理。
長年の思い出にふける暇などないのが実情である。

「衣服類」これも多い。購入しても気に入らず着ない物がまた多い。しかも衣服はことのほか重いのである。整理していると、過去の自分とおさらばしているような気もする。

「パソコン類」
パソコン。プリンター、コンポステレオ、テレビ、ビデオ。これらの結線が大変である。線を外してもまた繋ぐときに苦労する。
PCの師匠Mさんが指導してくれた。ディジカメで配線を撮って起きなさいと。成る程。


市の有料ゴミ袋一番大きい40ℓを50枚ほど使用した。
少し困ったのが「神棚」、親が神道であったのでミニチュアの神社もどきの神棚があった。どうするか? 神社に持っていけばよいのだろうが、「エエイ!面倒だ」と金槌で壊してしまった。


その二日後「祟り・・・」が起こった。車を処理したのでチャリンコで40ℓのゴミをゴミ捨て場に運ぼうとしてところ、重すぎて転んで顔から地面にダイビング、目の上を切り大出血、近くの整形外科に行った。専門ではないがと言いながら見るに忍びなく、外科手術で縫い合わせてくれた。麻酔の針の痛いこと、神様勘弁! と言ったが許してはくれなかった。
後日談だが、1か月後に転居先の整形外科にまたまた行った。目の下のイボが膿を持ち治らなかったので、整形に行ったが首から上は形成外科に行きなさいと言われた。人生ウン十年で初めて知った。整形と形成の違いを。
 
二時間またされ、たった五分で終わった。ドクターがイボを触り、ウン?これはイボの中に何かがあるぞと言いながらピンセットで異物を取り出した。
何と、自転車で転んだ時、メガネが割れてその小さな破片が入っていたのだ。何としつこい神様なんだ・・・。

これほど断捨離で捨てたが、新居(?)に引っ越してからはまたまた必要なものが出てくるのである。ゴミ箱、小物入れなどなど、その度に近くのダイソー通い。人生とはこのような無駄の繰り返しなんだとしみじみ感ずる。


「断捨離」の反省!
全てが終わってから気が付いた。忙しい思いをして、怪我をして短期間で断捨離をすべきではなかった。自分のせっかちを恥じた。

最近流行の「メルカリ」(ネット上でのフリーマーケット)やアメリカの最大手「イーベイ」(インターネットオークション)があったのだ。
     アメリカのインターネットオークション「イーベイ」

             「メルカリ」(ネット上でのフリーマーケット)

家の隠れ資産を発掘する良い機会である。「整理が出来て、儲けて、投稿する楽しみ」があるのだ。
アメリカでは日本人に注意していると言う。「日本人は断捨離という形で、全部の物を破壊してしまう。これでは日本の文化が残らない」と。

ネット上で世界から指名される日本の商品は陶器、民芸品、貴金属、食器、洋服などらしい。日本の商品は何とか焼きとか芸術品が多い。

              民芸品の人気度は高い

最近は「断捨離」で写真を捨てる7つのコツとか、「断捨離入門DVDブック」などというものまである。
  
最大の大物「家具類」
親が残したタンス、応接セット、茶箪笥などなど、運送屋の二トントラックで三台。派手な名古屋の結婚式パレードと同じではないかと可笑しくなった。
    名古屋の結婚式パレード 

「運送屋」の話
運送屋を選ぶにも見積もりを取る。数ある中から1社を選んだ。
当日、荷物と共に私も運送屋の社長の車で運ばれた。私の運送代はサービスすると言う。ユニークな社長だ。

車中、運送業界の話で盛り上がった。最大手の日本通運にはかなわないと言う話。

マークのマルツーとか日通さんというのは、日本通運が当初国営であったための名残で、日の丸の赤い部分に「通」をのせたものだと言う。
昭和12年の日中戦争の頃、国の物資を円骨に運ぶための国営企業から出発しており、その名残で船も、飛行機も、貨車も所有しており、引っ越し荷物を運ぶにも見積もりでは他が及ばないと言う。
例えば貨車、他の運送会社はJRの貨車を所有していないので、日通の貨車に高い金を払うか、トラックで危険を伴う運転手を使い、高速料金を払い余分な費用をかけて運ばねばならない。まともに勝負できないと言う。

                日本通運JRのペリカン便

また日通でなければ受注できない引っ越しもあると言う。先の天皇の住まいの引っ越しは国からの名指しだと言う。また高価な絵画や宝石なども他社にはノウハウがないため、また像とか動物を海外から日本の動物園に運ぶのも他社は出来ないらしい。
だから案件は自動的に指名される。国内の一般家庭の引っ越しは本来はやりたくない様だと言う。人手不足と利益率の低さからだろう。
マンモス企業はやはりどこにでもあると言うお話でした。

「資金繰り」
日本や世界への山登りと、海外旅行で「ン」千万円を使い果たしたので、残る金は天国までの片道切符代金だけである。
だが、自宅を処分するならば釣りがくると思いサッサと売り払った。
「日本ユニセフ」のテレビコマーシャルがフッと耳にささやいた。「世界の恵まれない子供たちに愛の手を、子供たちには時間がありません」と。
しかし、その後に悪魔の声が聞こえてきた。「老人にも時間がありません、天国の花園に行くにはお金が必要です」と。私は突発的に後者を選んだ。


「引っ越し」
転居後の大仕事は公共料金などの住所変更、口座変更等で20か所ほどに連絡や手続き、これがまた大変である。
                                                                                                                              
口座作成、役所への手続き、年金、健康保険、携帯電話、インターネット会社、電気、水道、ガス、各カード会社、新聞屋、保険会社など。

この1か月間、午前中は元気を取り戻し機敏に動いたが、午後はもうダメ、なぜかやけ酒を飲んで昼寝、後は明日ツ!
サイクルも変わる。晩酌をしながらも夜9時には眠くなり寝る、早朝2~3時には目が覚める、仕方ないから作業、もうこんな生活はいゃ~

次は「あいの里」とは「藍」なり 編