・山ガール2012/07/05 09:31

 昨今、山に行く度に山ガールに出会う。近郊の平易な山にはとりわけ多く目にする。この現象は2~3年前からであろうか。
 以前、山岳会の組織に在籍していたころは、山岳会に若者が殆ど見当たらなく中高年ばかりであった。組織部に在籍したため、その原因を調べて見た。
 今から4年前までの現象であった。それが山ガールのファッションがアッと言う間に登山会を変えてしまった。山ガールのファッションなるものを考えた人(会社)達は天才的であると考えた。

 下記は2008年の北海道におけるある登山組織の発表会に発表した基調報告である。今更ながらに読むと時代の変遷を感ずる。

 

1分科会 メインテーマ 「山岳会の今を考える」

会員の高齢化の実状と消えた若者の実像を追う

      
若者との対話を通して

                           

○○地区連盟組織部 
 
(札幌○○山の会所属)            2008年11月

 


1.はじめに

現在の山岳会は高齢化が進んでいると言う。果たしてその実情は。

また高齢化がどの程度なのか、その高齢化に対して既存の山岳会はどのように対応しているのか、その未来像を想定し、登山文化の継承をどのように考えねばならないのか。

そして最も重要なのは、対極にある若者が何処にいて、何をし、何を考えているのだろうか。

この高齢化の実態分析から将来を予測すること、さらに若者の実像を追い、それらも分析し、将来の登山界を考えてみたい。

高齢化の実状は「北海道道央地区山岳連盟」のここ5年間の年齢別推移と構成を数値分析してみた。

また、今年で29回を数える「民登山教室」のここ6年間の年齢別推移と構成も数値分析をしてみた。    

今後の山岳会の方向を左右すると思われる「若者の実像」を把握すべく、高校山岳部(ワンゲル含む)、大学山岳部(ワンゲル含む)より情報を得たので報告したい。

また、我々登山界とゾーンを共有する登山用具店の現状と商業登山業者の実状も探ってみた。

ここに「ルポルタージュ」として報告したい。ルポルタージュとは作為を加えずに、客観的に現場より取材をして報告することにある。

この実態から問題点、原因、対策を考えてみたい。    

  


2.
山岳会は中期高齢者のサロン!

-1 の2007年、50代と60代の合計は全会員の65%。一方、表-2の50代、60代、70代の合計は85%で、今後山岳会に入会されるだろう方達の年齢層である。

どちらの図を見ても、20代、30代は減少・低迷であり、40代は確実に減少である。また、会員の50代も人数は多いが、減少気味であり60代は確実に増加している。いずれ60代が主流となりそうな傾向値である。       

-2の「市民登山教室」は衝撃的である。2008年の60代が33人、50代が15人、70人が4人で70代はこれからも増加しそうな気配である。それに引き換え、20代1人、30代、40代も4人。これは組織の空洞化現象でかなりの問題点となろう。     

この2つの表と図で、山岳会の会員を拡大しょうと計画すればするほど、60代が増加するであろう。まさに「団塊の世代」以上、中期高齢者集団のサロンとなろう。

3.埴輪ファッションとパンツ見せ高校生

一般的な現代高校生の特徴を考えてみた。メル友の数が自慢の携帯電話依存症からはじまり、埴輪ファッション、ミニスカート、ピアス、濃い化粧、胸はだけセーラー服の女子高校生。一方はズボン下げパンツ見せ男子高校生。

彼らは現代社会に何を主張したいのであろうか。悩める若者が精一杯の自己主張をシグナルとして送っている。そのような中で、健康度の高いと思われる高校山岳部の実態を調べてみた。

-3 下記は高校の山岳部とワンゲル部の部員数

上記は、札幌圏高校山岳部幹事校の教師から得た数値である。山岳部登録があるのは13校だが、現在部員がいるのは10校である。10年前には百数十名が登録されていたが、この4年前位から激減しているそうで、山好きな顧問教師の熱心な部員勧誘で何とか維持されているもようである。既に高校生からも登山は敬遠されている。

 

4.バイト~稼ぐ~おしゃれ~異性と飲みに行く

 (全てが遊びのサイクル)・・・・大学生

-4 下記は北海道の大学の山岳部とワンゲル実態

北海学園大学の山岳部は現在部員2名。OBの助けをかりないと山行も組めない状況のようだ。創部50年を超えるが、最盛期は部員50人の大所帯であったと言う。

北大山岳会も10人。わずかに統制がゆるいと思われるワンダーフォーゲル部が両大学ともに少人数ながら維持されているようだ。 

酪農大学ワンゲル部は十数人らしいが、山岳部は数年前に部員がゼロとなり廃部となっている。

激減している、ある大学山岳部の部長に、何故部員が少なくなったかを聞いてみた。

「昨年までは女性部員も複数いたのだが、どうも皆が勘違いしているようです。昔と違いシゴキはないし、3K(きつい、汚い、厳しい)と思い込み敬遠しているのです。それと山岳部部員が少なくなった原因は、遊びが増えたのでキツイのは望まないようです。」

そこで見出しの「遊びのサイクル」が、現在の大学生のライフスタイルとなるのである。40代の親は中流以上でそれなりに裕福、あるいは80代の後期高齢者も孫の為に支援してくれるので生活費と学費は心配無用。苦学生と言う言葉はもはや死語となりつつある。

だから学生は遊びの為にのみバイトをする。それも遊び感覚で居酒屋やコンビニ、そこにも異性の遊び仲間がいる。特に男は女性の多いところが必須条件である。稼いだお金はオシャレに使い、異性と飲みに行く。全てが異性との付き合いが主眼であり、これは男女共通である。ここに、全てがあそびの範疇というサイクルが存在する。★大学生複数からの取材より

質 問

回 答

社会人になったら、どんなレジャーがしたいですか。

旅行。

卒業旅行、学生旅行は何割程度していると思いますか(海外・国内)

海外・国内含めて80%内外と思う。特に女性は多い。親が一緒に連れて行くフアミリー旅行が多い。

旅行の形態は。

女子は2~3人連れ。男子は5~6人連れ。母親と娘が多い。父親と息子はマレ。

山岳会をどう思いますか(登山未経験者)

未知の分野なので興味はあります。

山岳会をどう思いますか(大学山岳会)。

中高年が多いイメージで若い人はいないと思っている。

「社会人山岳会」に対しての要望は(大学山岳会)

山に限らず、OBが体験談を語ってくれるのは有難い。大学生と社会人との対話の場が殆どない。対話があるのが望ましい。

アルバイトで多いのは。

居酒屋、コンビニ、家庭教師、イベント会社(派遣会社に登録するといろいろな面白い仕事が出来る)

バイト以外の遊びは。

ドライブ、デート。  車は80%が男女共に所有。

 

 以上の取材は、大学山岳部の部員、一般大学生、専門学校の生徒からである。中には海外旅行ツアー中の若者グループ、親子連れからも生々しい感想も聞かれた。

ツアー中、定年になったばかりの父親と27歳の息子の二人連れが目を引いた。母親が父親の定年祝いにと、疎遠になっている息子との海外旅行をセットして、大いに男同士、親子の会話を期待したそうである。勿論、息子の費用は父親が拠出、双方共にじっくり将来を語り合おうとの認識を持っていた。ツアーの仲間も毎朝心配して、親子に進捗度合いを確認する。ある日の朝、父親が血相を変えて語る。夕べ息子に殴られそうになりました、と。次の朝、息子に聞いてみた。お互い努力してよい関係を作ろうと思うのだが、親父が年のわりに余りにも世間を知らず、一方的で意見を押し付けるものですから・・・。

後段で述べるが、ここに60代の団塊の世代の父親像が浮彫りになる。子供と上手に対話をしたいが、出来ない父親と、上手な父親がいる。

戦後復興期を生き抜いた80代の親に対しては、絶対服従でしか応対できなかった団塊の世代が、現代の子供たちと友達関係にはなりきれない人も多いようである。一般的に不器用なのである。

上記の対話から4点が注目される。

 

  現代の若者は恋人が50~70%いる。

団塊の世代の青春時代、この数字は信じられないだろう。「♪ マコ・・・甘えてばかりでごめんね。ミコはとっても幸せなの」(愛と死をみつめて)の歌の一説である。1,964年レコード大賞に輝いた曲で実話に基づいたヒット曲である。当時の若者が羨んだ恋愛関係である。

当時の若者は恋人探しのために、数少ないレジャーの一つである山岳会に入り、恋人を探したのであろう。しかし現在はバイトのサイクルに入れば恋人は簡単に出来る。

 

  親との対話・独立

二分されるようだ。子供と上手に対話できる父親と出来ない父親。対話となると母親の特技、父親は蚊帳の外である。ある若者男性が言う「昔と違い、親は子供に優しい。」と。昔と違い、と区別判断している。

優しくて経済力もあるから親から独立も結婚も急いでしたくない。ここに団塊の世代の特徴がある。戦後復興期人の80代の親に仕え、今また子供に仕える構図が定着している。

 

③ レジャーは旅行

学生の卒業旅行、ファミリー旅行は最早80%が経験。定年後の楽しみは海外旅行、若者も社会人になれば旅行と答える。そこに「山」とか「山岳会」の片言も聞かれない。団塊の世代が当時望んだ、テレビ、洗濯機、車、は遠い昔の願望でしかない。

海外旅行から、ワーキングホリデー、海外ホームステイ、海外ボランティア、おまけに中高年はウイクリー・マンション、マンスリー・マンションを借り旅行三昧、極めつけは海外移住である。まったく「ヤ・マ」は見えないのかと言いたくなる。

 

④ 「山岳会」に対しての意見

未知の分野なので興味はある、若い人はいないでしょう、OBの体験談は聞いてみたい、一緒に酒を飲みたい、社会人との対話の場がない等々。

若者は父親とは違う、社会人との対話を望んでいるのがうかがわれる。山の経験のない若者に山の体験談を話すと、目を輝かせて聞いてくれる経験を皆さんもあることでしょう。若者との接点が足りないのです。

山岳会のイメージはおおむね同じ見解であった。ここにも若者に対してのアピールが不足しているようだ。

心ならずも、山岳会のありようについて意見を述べていただいた。老いては子に従えで素直に拝聴した。さすがに現代を生きる若者、アナログとデジタルの差を指摘されたようだ。ITだ、マスコミだ、タウンだ、フリーペーパーだ、コマーシャルだ。現代の若者は名医である。5.登山用具店よりの情報

以下は用具店複数よりの情報を整理したものです。

-7 

質 問

回 答

登山用品の購入について。

★3~10日の長期登山が激減し、チョイ登山が主流。大型ザックが売れなくなった。

★宿に泊まる人が多くなり、テントの4~5人用以上が売れない。15年前と比較すると半分。

★登山用品が売れないので、アウトドア用品に切替えている。

年代別の来店は。

2030代は激減。15年前までは4050代が多かったが、今は6065才が多い。15年前の人がそのままスライドしている。

4050代の人は余り山に行ってないようです。

金額的に多く買う年代は。

★来店の少ない4050代。60代は装備が揃っており小物多い。

女性と男性の利用度合い。

★労山は女性、岳連は男性多い

★フリーの客で30代の女性の一式購入が目立つようになった。

山岳会に所属している割合は。

★登山愛好家で来店する人の半分位が山岳会所属。フリーの人で山岳会への紹介依頼がある。

「商業登山ツアー」で行く中高年の状況は

★男40%、女60%。全体で60%は利用しているようです。

「商業登山ツアー」は何故良いのでしょう。

★楽、食事も作ってくれる、時には荷物も、ギャグも言ってくれる、木・花・気象等の講義も、登山以上のものがある。

★百名山ブームが去り、ツアー会社の客も半減のようです。

「団塊の世代」は何をしているでしょう。

★登山愛好家は3~5%でしょう。

★ツアーの旅行で、国内・海外に多くが行っているのでしょう。

フリーの登山愛好家は山岳会をどのように思っているでしょう。

★半分は入会したいと思っているようです。

★半分は組織に縛られたくない、複雑な計画書を出すのが面倒のようです。

ある登山用具店では、登山用具が昔より売れないので、店舗の半分を他のアウトドア用品に切り替えている。

若者が激減する登山界にあって、30代の独身女性が登山用具一式を買うケースが目立っているという。どのように理解すべきだろうか。また団塊の世代が、ここでも海外旅行がダントツのようだ。世相を映している。 

 

次に若者について(登山用具店から見た若者)

-

  質 問

 回 答

若者、来店度合いと購入度合いは。

10代は店のフリーボードに来るだけで物は買わない。20代は殆ど来ない。

30代、女性のまとめ買いが目立つ。40代は自転車、カヌー、キャンプ用品が多い。

登山と若者、最近の傾向は。

★若者が激減したので登山用品の売上が見込めない。

★若者は山に行く目的がない。他にすることがありすぎる。

若者は今、趣味・レジャーで何をしているでしょう。

★夏はサーフイン、海のボード。冬はスノーボード、バックカントリーが多い。そこで若者が一番高いビーコン、ゾンデ棒、スコップを買うのが目立つ

★夏、山道専門の自転車が売れる

★スポーツをするのは一部で、家にいて何もしない人が多いようだ

昔と今、若者は休暇が取りやすいでしょうか。

★昔と同じようです。公務員がアウトドアを楽しんでいるようです。

昔と今、若者の小遣いは。

★増えている。好きなものに金を使う人が多い。

★貯金に精を出す人が昔より多い。将来の年金代わりと考えているようだ。若いのに数百万円も貯金している人も多い。

若者の山岳会に対して。

★組織が良いと思う人も一部いるが、大半は縛られたくないと思っている。

登山用具店から見た山岳会は

★昔は会員集めに苦労はしていなかったが、今は熱心で努力されてますね。

★技術指導もあり、仲間もいる。しかし若者は欲していないようです。

今の山岳会の問題点は。

★若い人が山をしないのだから止むを得ない。方向性を変える方法もあるのでは・・・・。

今後の山岳会の方向性についてヒントを一つ。

★団塊の世代を取り込むのも一策かと。登山学校的な催事には多く集まるので、その辺にヒントが。

若者が時代を見る目、計画性、そして将来ビジョンをしっかり考えていることがうかがわれる。年金を頼らず、貯蓄をしっかりしているのを聞くと、何かしらそれでよいのかと考え込んでしまう。

山岳会の将来、登山文化の継承を考えた時、まだまだ元気で20年は活躍しそうな、中高年、取り分け団塊の世代を取り込むことは重要であるという結論になる。 

 


6.昔と今、どちらが楽?

登山界の昔と今を考える時、取りまく社会構造、経済構造そして親子関係等を整理しなければならない。そこから現代に生きる年齢層の考え方と行動が見えてくる。  

大きく分類して、20代、40代、60代、80代の特徴と行動指針を探ってみたい。

 

 

表―9

 

年代

 

項 目

 

特 徴

後復興期

 

80

代   

■時代背景

■生活・仕事

 

 

■教育

■余暇

 

■親子関係

戦後復興、貧しさからの脱却

家族全員で経済的に支えあった。飢えとの戦い。肉体労働(農業・漁業・林業・炭鉱等)

学校よりも親の手伝い優先

地方での遊び(釣り・バイク・青年団活動・映画・スキー等)

絶対服従

高度経済発展期

 

60

■時代背景  

 

■生活・仕事 

 

 

■教育

■余暇      

 

■親子関係

団塊の世代。高度経済発展。家電製品、車、持ち家ブーム

地方から都市へ。職業の幅が広がる。ホワイトカラー。身体的労働から頭脳的労働へ。

学歴至上主義、全共闘運動。

山登り・マージャン・パチンコ・喫茶店

競馬・野球・マンガ本・ゴルフ

絶対服従から独立へ(家から出たい)

能力重視とリストラ

 

40

■時代背景  

 

■生活・仕事 

 

 

 

■教育

■余暇

 

■親子関係

終身雇用から能力主義へ。

良い大学・良い企業。

共稼ぎ。企業戦士。ヘッドハンティング。ライフプラン重視。

ITMA・独立・スキル・リストラ・中間管理職。

受験戦争。

国内・海外旅行・温泉・グルメ

パソコン・携帯・居酒屋。

残業で忙し派と優しい親派。

子供に優しい、ものを言えない、友達感覚の維持。

 

 

現代 

 

20

 

 

■時代背景  

 

 

■生活・仕事 

 

■教育

 

 

 

■余暇

 

 

■親子関係

社会構造の崩壊(政治不信・企業の慢心・汚職・食品への疑念・事件の多さ・年金問題等)

蔓延するリストラ。若者のフリーターニート。アルバイト。

学歴重視から甘い遊び感覚へ

大学は学ぶより遊び感覚で。

新聞・本も読まない。おちこぼれ。

インターネット、ゲーム、携帯(半径1m以内での生活)親と海外旅行(費用は親負担)

苦労するより親と同居、すねかじり。


7.団塊の世代とは・・・「お金持ち!?」

今後、山岳会に入会が多いと思われる「団塊の世代」の特徴を調べてみた。また今後、主流となりうる世代でもあるので理解を深めておきたい。

1947年~1949年生まれ(59歳~61歳)で、父親らが戦後復員して婚姻、出生人口がこの時期に重なった第一次ベビーブーム、680万人を数える。通常よりも200万人も多いのである。

また1948年までは一部の例外を除き、一般の避妊、中絶、不妊手術は禁止されていたことにもよる。

特徴

①当時の学生運動に携わったのはごく一部で15%位、

総じて保守的な傾向が強い世代。

②ライブドアによるフジテレビ買収の時の、堀江貴文を

支持するかのアンケートで、他の世代を押さえ「支持」と答えたのがこの団塊の世代。

③家制度→核家族に代わり、見合い結婚と恋愛結婚が逆

転した世代。結婚して二人前後の子をもうけ、家族の絆を大事なものと考えているが、会社人間化(モーレツ社員)して家庭を顧みなくなった父親が多いのもこの世代。

④最も専業主婦率が高く、「女は家を守る」と言う考え

の保守的な結婚をした世代。

④文化的側面から見ればファッションが浸透し始めた世  

代であり、男性はジーンズ、女性はミニスカートを好  

んで装い、レジャーやドライブを好むなど、そのスタ

イルは現代の若者文化の基盤を形成している。

 

8.若者像・・父母や祖父母と上手なつきあい!

 次に現代の若者の特徴を、取材を通じてまとめてみた。

◇ 価値がないから酒も飲まない。

◇ 車も乗らないので買いたくない。

◇ 収入も少ないので物も買わない。

◇ インターネット、DVDを見る自分のわずかな空間があれば

よい。半径1m以内での生活。ひきこもり。

 ◇ 年金は当てに出来ないので、貯蓄をしている。

 ◇ 将来展望を描けないので不安である。

 ◇ 親の「優しさは頼りなさにつながり、強さは横暴につながる」と理解している。

 ◇ フリーターは学歴を必要としないし、大学は学歴とか学問ではなく、遊びが許される場所と考えている。有名企業は一部の人間と割り切っている。

 ◇ 少子化だから競争の原理が働かない。

 ◇ 異性との付き合いはバイト先にたくさんいる。

◇ 親が優しく居心地金も良いのでいつまでも同居す

る。資金の援助も期待できる。

 

現代の若者を無気力で「バカ」と言うべからず、

かなりしっかりしているし、将来も考えている。

何より、彼らの親になる「団塊の世代」はこれから

彼らに食わせてもらう(年金)立場になるのだから。

 

9.登山界のライバル・・・・・海外旅行!

余暇・レジャー・遊びの分野で、山岳会として強烈なライバルは海外旅行であることは取材を通して歴然としている。若者、学生、そして最も資金力があると思われる「団塊の世代」も国内・海外旅行により傾倒していくだろう。

大手旅行会社、HISの学生向けコマーシャルに「誘ってお得!3人目最大半額、6人目最大無料!英語レッスンが楽しめる、学割もあります。」

今や若者の目線は世界の国に向けられ、国際化してきている。中高年の夫婦連れも多いが、ここでも男は無口で奥さんに世話をかけてばかり、最近は奥さん方のグループも多い。会話は出来ようが出来まいがボデイランゲージや単語並べている人、しっかり英会話教室でマスターしている人も多いという。

しかし、元気な中高年は、普通の海外旅行に満足せず、海外でのハイキングやトレッキングにも興味を抱きつつあるようだ。ここに山岳会の出番がありそうである。

 

10.若者はいた!!!

消えた若者は何処に・・・と方々探してみると、意外にも近間にいた。居酒屋に行くと若い男も女もたくさんいる。

大学生に取材した時の「学生はバイト~おしゃれ~異性と飲みに行く、全てが遊びのサイクルなのです」をまじかに見ていたのである。大学生、専門学校生、フリーター、アルバイト、今や居酒屋はこのような若者達によって維持されているから低料金で食べ飲み出来るのである。彼らもまた、仲間がたくさんいるので楽しいのである。生き生きとして目が輝いている。

見方を変えると大企業、一流企業、官庁に勤める少数の若者のほうが、厳しい歯車の組織でウツや病気に悩まされているのかもしれない。

大手飲食店でアルバイトやフリータ―として生き生き働いているし、客としても多数いる。勿論中高年も大の得意先なのであろう。確かに若者の一握りが大企業や一流企業に行き、大多数は希望通りには行かないのが人生である。仕事と遊びを共有しながら楽しんで過ごしているのも人生の選択肢の一つかもしれない。 

中には引きこもりで、半径1mの孤独の中に生きがいを求める若者も確かにいるが、彼らはそれで満足しているようだ。

山岳会の若者も、居酒屋の若者も、旅行中の若者も共通して言えるのは、意外と素直である。社会の先輩である中高年に体験談や経験談、親とは話せない話もしてみたいのだろう。積極的に話の輪に入って来たいようだ。 特に山岳会の若者は先輩の話を聞きたがっているのが伺える。

山岳会から若者が消えた原因の一つは、山岳会が積極的に彼らと接触をしてこなかった点が上げられる。高校山岳部の顧問先生も、機会があれば社会人山岳会の方々とも接触が出来れば好いのですが、と言うのが印象的であった。

我々、山岳会の問題点は、それぞれが仲間で山行に夢中になり、楽しんでいる間にいつの間にか若者が少なくなってきたことである。近くに来れば技術の伝達や話をするが、積極的な勧誘はしていない。また山岳会としても、用具点にチラシを貼る程度でもう一つ積極的ではない。

若者を増やす対策は簡単である。それは当事者の若者が取材中に答えてくれている。

  山岳会のコマーシャルが不足。用具点にチラシやポスターをいくら貼っても、一般の若者はそこには殆ど行っていない。高校や大学の山岳会にも接触を図り、居酒屋にもチラシやポスターを張るべきだ。山岳会員が顔の効く居酒屋は多数あるはずである。

  山の素晴らしさを語ってほしい、と。

  ITを駆使し、各山岳会もホームページを充実させて若者とそこで会話するべき。

  マスコミ、フリーペーパー、タウン誌等々の無料情宣物を駆使すべき。

  若者は、社会人、先輩、大人の話を聞きたがっている。そういう機会を作るべき。

  敵は今後、海外旅行。普通の海外旅行より付加価値を高めた海外トレッキングや海外ハイキング、国内のトレッキングでも良いだろう。この辺になると山岳会の遠征に慣れている人はお手の物であろう。

 

 

11.「団塊の世代」以上が狙い目。

「登山文化の発展」の為には若者も重要だが、中高年を積極的に勧誘するべきである。定年後の60才から80才まで今の中高年は元気である。金銭的には殆ど問題はなく、やる気のある中高年層にいかに「遊びの場」として山岳会を提供するかである。

海外に行くと、ヨーロッパ・アルプスやヒマラヤトレッキングに精を出す年配の外国人をよく目にする。孫を連れている人も多く、双方楽しそうである。

これから「団塊の世代」が続々企業戦士軍団から卒業してくる。疲弊した心身に高額な退職金を背負い趣味も見出せずに路頭を迷うのである。この軍団に手を差し伸べるのもボランティアである。しっかり貴重なお金の使い方を伝授してあげるのも、これまたボランティアであろう。

現在、労山会員の平均年齢は50代以上、60代に近いだろう。その会員も10年経過すると70代になる。

ハードな山行も出来なくなる。またアルパイン的な岩や沢をする人はごく一部になるだろう。家にしょんぼりは辛いものがある。

今の内から山岳会の中に、楽で年齢相応、参加可能な各種の「サロン」を作るべきである。

一般的な定年後の趣味を羅列してみた。

映画・音楽・絵・音楽演奏・写真・釣り・英会話・社交ダンス・社会人大学・ヨガ体操・資格勉強・ヨット・クルーザー・手芸・演劇・フラダンス・旅行・ゴルフ・読書会・庭いじり・畑作り・山菜取り・トレッキング・ハイキング・出前講座・・・

 

12.何をするべきか? 労山株式会社設立!

今後の山岳会の一つの方向性として、中期高齢者向きボランティア的な事業を起こすのも良いだろう。多くの会員や一般登山愛好者を集め、会員に分野ごとの得意能力を発揮してもらうのである。ここに山岳会の魅力が発見されるかもしれません。一例を上げてみよう。

○トレッキング(近辺、国内、海外)同好会

○ハイキング(近辺、国内、海外)同好会

○海外遠征のための簡単な語学教室

○絵画・スケッチ教室

○自然保護活動同好会

○エコツアーガイド研究会

○親父バンドによる山小屋での演奏会

○オジサン・オバサンによる「山の歌」発表会

○社交ダンス講習会

○山菜取りツアー

○高校・大学・会社の山岳会向けの安全な登山をするための出前講座や技術講習会教室

○子供向けのアウトドア教室

○良く理解できる読図講座

○案内人レンタルシステム

道内グルメ案内人、秘湯の温泉案内人、自然探索案内  

人、低山案内人、高山植物案内人等々。

○沢 de do 焚火愛好会

○山男・山女によるレシピ研究会

○山小屋、テントでのカラオケ道場

○星空を眺めるロマンティスト同好会

○山男・山女を見つめる同好会

○ウンチク・講釈発表同好会

 

このような、奇抜で活発な活動を行う中高年の背中を見て、若者は判断するであろう。遊び心を取り入れた労山株式会社を設立して、自分達の居場所を作るのは如何だろう。 

 

13.むすび

 道央連盟組織部としての責務は、組織実態調査とその分析、会員拡大の為の関係機関調査、高度情報化のためのホームページ維持・推進、取り分け登山愛好家、若者に支持されるページつくりである。

このような観点からまとめてみた。

全国的に労山も他の山岳グループも、総合山岳会は長期低落傾向である。10年の間に半減するかも知れない。

原因は、人々の生活の仕方が変わってきたこと(社会構造の変化等)を認識していないこと。人と人との絆のあり方に注意をしていなかったこと(学生が・若者が社会人との対話を望んでいるのを放置してきたことなど)。国際化、高度情報化の変化に対応していないこと。

少子・高齢化に対応していないこと。一部かもしれないが、自分だけ楽しめればよいと思っているうちに、山岳会としての機能が維持できなくなっていること。

何より「登山文化」と言う重要なテーマを今一度考える時が来ているのではないでしょうか。




 

                     

(取材先)

・管内高校山岳部 顧問教師

・○大ワンゲル部

・○○学園大学山岳部

・東京専門学校生徒

内一般大学生

・居酒屋勤務のアルバイト男女若者

・登山用具店

・大学生協出入り業者

・大手飲食店店長

・フリー百科事典「ウィキペディア」より引用

  (個人情報保護のため、詳細は省略します)

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