・ロリコン2015/12/19 08:13

  「死霊が見ている」(ゴーギャン)


文明社会も家庭も捨てて好きな絵の創作にまい進したゴーギャン、世界中を放浪した末に選んだのが、ポリネシア諸島で南太平洋の最後の楽園と言われるタヒチ島。

今回、タヒチに行き同じ大地を踏みしめ、同じ空気を吸い、同じ景観を眺めたならば、少しはゴーギャンの作品が理解できるかと思ったが、期待には応えられなかった。ゴーギャンを象徴するものが殆どタヒチには無かったのである。タヒチには文明や文化が似合わない、自然があればそれでよいと感じられた。

その自然は今も昔も変わらないと思われ、特にラグーンの美しさと、ゴーギャンが求めた緑の野生美は筆舌に尽くしがたい。

ある人が、絵画を理解するには予備知識も大事だが、その絵をじっくり見ながら心で作者と対話するのも楽しみの一つだと言っている。

ゴーギャンのこの絵は、同棲していた現地人で13才のテハマナが、ゴーギャンの留守中に闇に怯える場面で、左奥の黒装束の人物が死霊である。タヒチという民族は異常なほど死霊に対して強い恐怖心を抱いている事を絵に込めているようだ。

この時、妻が裸体でベッドにうつ伏せになっていた。恐怖に見開いた目がランタンの光に輝き、これほど美しい彼女を見たのは初めてだったと43歳のゴーギャンが語っている。

ドイツ文学者で、「怖い絵」で知名度のある中野京子が、雑誌でゴーギャンを次の様に語っていた。

ゴーギャンは妻子を放ったらかし、フランスやタヒチやマルケサス諸島で幼い現地妻も何度となく取り換えせっせと絵を描いている。現地妻は何れも13才前後、紛れもないロリコンである。

またゴッホとの2カ月程度の同居事件について、傲岸不遜の男ゴーギャンと精神不安定の男ゴッホの同居ではうまくいく方がおかしいとも云う。誠に当を得た表現である。

ゴーギャンをはじめ、ゴッホもピカソも一様に女性遍歴が多い。モデルを依頼するうちにそのようになるのか、とにかく波乱万丈の人生だ。

絵画に親しむ時、先ずは画家の「人生ドラマ」を見聞しておくとなお一層興味がわくのである。