・キンシャサの男 ― 2013/12/03 13:25
昨日、12月2日の朝のテレビニュースが目にとまった。
「在コンゴ大使館放火容疑、外務省職員を逮捕 警視庁」
3等書記官として当時勤務していた職員、山田真也容疑者(30)を現住建造物等放火、公金横領容疑で逮捕した。
コンゴの首都キンシャサにある民間オフィスビルの3、4階部分に入る日本大使館に火をつけ、4階部分を半焼させたというもの。

容疑者の写真
この写真を見て私はホッと安心した。知人とは別人であったからである。
何故ならば、この大使館には私の知人が勤務しているからである。知人と言っても名前も住まいもくわしい事は知らない。
2012年1月、「コンゴ民主共和国」に旅行した折の帰りの飛行機で、キンシャサから5時間近いケニアのナイロビまでの機中で、隣の席にいたのが大使館に勤める彼であった。まだ30代と思しき大変頼もしき青年であった。
私の矢継ぎ早の質問に快く応えてくれ、的確にアフリカの現実や現況・課題を披瀝してくれ、5時間がアッと言う間に過ぎた。お返しに彼の私に対する質問は、世界旅行の各国の印象を聞きたい事が中心であったようだ。
「コンゴ民主共和国」はザイール川を挟んで船で30分、「コンゴ共和国」と隣り合わせである。国名に「民主」と付いているが全く民主とは言い難い治安がすこぶる悪い国である。マニアックな旅人しか行かない国である。

「コンゴ民主共和国」の左側(西)に「コンゴ共和国」がある

治安に不安の少ない「コンゴ共和国」から、対岸の大変治安が悪い「コンゴ民主共和国」に船で30分。現地ガイドは危険ですから絶対写真は撮らないで下さい。アフリカの途上国は殆どが撮らせない。
そう言われると余計に隠し撮りをするのが旅行プロ集団。その行動は素早い。

首都のキンシャサに着いた。港に上陸後、入国管理事務所で2時間も待たされる。賄賂を要求してじらすのである。事務所の外へ出ると、道の両側に異常な人だかりがある。物もらいや勝手に写真を撮ったとクレームをつけて金品を要求する集団である。
話を戻して、キンシャサの日本大使館に勤める若者談が下記である。私も旅行前の下調べで予備知識の確認がしっかり出来た項目を箇条書きにした。
1.平和であった「コンゴ王国」のポルトガルからのだまし討ち
2.奴隷として多くの黒人が、ヨーロッパの国によってアメリカへ
3.ベルギー王による虐待、天然ゴム採取でノルマ未達成者への手首・足く び切断で国民3,000万人が900万人に減少したこと
4.ベルギー国の植民地時代の困難
5.「コンゴ動乱」の東西冷戦(米ソ)の巻き添え。
6.キューバ独立の英雄チェ・ゲバラでさえも、この国で独立運動を指導し たが挫折してあきらめて逃げ出したこと
7.独立後の独裁大統領の圧政
この国は過去、先進国からの裏切りや植民地化で、常に辛い状態にさらされてきた結果が今日の姿なのです。
私も今大使館で働いていますが、このキンシャサの人々を見る度に心が痛みます。と語る青年の言葉が印象的に胸に残っている。
彼が事件の当事者で無くて良かったと、画像を見て安堵した。

キンシャサの街でパンを売る女性
「コンゴ民主共和国」のHP本文は下記 ↓
http://yamatotabinootoko.web.fc2.com/kongominsiyu.html
最近のコメント